Seel STAFF BLOG

カルチャー系フリーペーパーを制作しているSeel編集部のスタッフたちによるブログ。

「ダリ」を体感。

 こんにちは!デザイン2年の竹内です。一気に冬の足音が走って近づいてきて、急すぎて戸惑うばかりです。ついには都心では観測至上初の積雪が観測されました!もう一体何を着たらいいのやら。そのせいか周りでは風邪をひいている子が増えてきました。気をつけたいですね。

 さて今回は最近行った企画展について紹介したいと思います。現在、新国立美術館にて行われている「ダリ展」に行ってきました。

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 はじめにダリについて軽く紹介したいと思います。スペイン生まれのサルバドール・ダリ(1904~89年)はシュールレアリスムを代表する20世紀の有名画家です。その一方で演劇や映画、ファッションなどの異なる分野にも積極的に挑み、その存在を世に知らしめます。さまざまなコラボ作品を残し、中にはあのウォルト・ディズニーなどがあげられます。多くの作品を残し現代美術の先駆者と称されています。今回の企画展では約250点が展示されており、日本では約10年ぶりとなる本格的な回顧展だそうです。ダリの人間関係や社会の変化、それに伴う表現の変化を感じられるものとなっています。

展示では音声を聞きつつ館内を回りました。ダリ展のナビゲーターは竹中直人さん。(収録時間35分¥550税込み)溢れる多才さという点でぴったりな人物だと思います。茶目っ気も満載、しかしバリ渋。ぜひ聞きながらご鑑賞ください。
特に初期に関して言えば、同時期の新たな作画表現技法を果敢に取り入れながらも、古典的表現を理解し技術があるうえでの表現が多く、ある意味鑑賞者が納得のできるアプローチがなされていました。しかし一般的に有名なシュールレアリスム期以降の作品となってくると、解説をみてよく見てそれでやっと納得できるかどうか、といういったいダリの頭の中には何があって一体全体どうなっているのかという作品が多かったように思います。しかしそういう作品にこそ心惹かれてしまう……。人間って難儀なものですね。

 

 そしてダリは友人と映画も作っています。館内ではいくつか作品が上映されていますが、どれも刺激的というか一般的にはグロにあたる要素が含まれていたりします。全編観られたわけではありませんが、ダリの作品また「ダリ」という存在は大人向けアダルティなものだと勝手に感じていました。そして私はとある作品のせいで眼球トラウマになっていた時期があったのですが、ダリのおかげで再発しそうでした……。

しかしこれは何度も繰り返し観たくなる!というダリの映像作品があります。それは『ディスティーノ/ Destino 』です。


Walt Disney's & Salvador Dali - Destino 2003 (HD 1080p)
これはダリ×ウォルト・ディズニーという今から考えると凄過ぎる作品なのですがやっぱり内容も凄い。境界という境界があやふやで自分の地が不安定になります。そしてダリ特有の表現に溢れており、まるで観ているこちらが化かされ騙されているよう。そこにディズニーの作画が加わり退屈を知らない約6分半です。この動画を見た後に実際の作品を観られるという体験はなかなかなものです…!おすすめです。

そして最後、出口付近には視点が変わることである人物にみえてくる立体展示があります。こちらの写真が誰にみえてくるのかは……、ぜひご自分の目でご覧ください!「ああ~!」ってなります。

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というわけでダリ展を紹介させてもらいました。あなたもぜひ「ダリ」を体感してみませんか?ただし、この展示は12/12(月)までなので行く方はお急ぎくださいね。

以上竹内でした!ではまた。

地獄の軍団

こんにちは。営業代表の園部です。


 毎日寒すぎませんか?着々と冬将軍がこちらへ向かってきています。
そもそも冬は寒すぎるので、「講義には毎回必ず出席のこと。ただしどうしてもキツい場合は無理をしなくてもよい。」みたいな授業がほしい!
寒くなるとどうしても外に出向く意欲が薄れてゆき、毎休日布団の上でYouTubeと映画をみて1日が終了し絶望するパターンが常態化してゆくわけです。


 
家ではテレビもよくみるのですが、10月の番組改編からTBS系列で『クイズ☆スター名鑑』が始まりました。2012年に終了したクイズ☆タレント名鑑の後継番組で、演出は『水曜日のダウンタウン』も手掛けている藤井健太郎さんです。(ちなみに藤井さんは立教OB)
タレント名鑑時代、中学生だった私は毎週リアルタイムでみたあとに、録画したものをもう一度みるというパターンが常態化していました。


一部の熱狂的ファンから強く復活が望まれていたこの番組。クイズ番組という皮をかぶった悪意に満ちた番組です。「不正解を出した時点で持ち点をすべて没収される」「最終的にチームが優勝しても賞品が用意されていなかった場合は何も得られない」など、もはやクイズ番組としての体裁は全く整っていません。
名物コーナー『検索ワード連想クイズ』に至っては、一つ目のヒントで正解を出したクリス松村が全員から大ブーイングを受け、「正解は小林幸子さんですが、他に当てはまりそうな人は?」というもはやクイズではなく大喜利となって進んでいったこともありました。出演者の回答に放送自粛のピー音が入るのはいつものことです。

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 とにかく日本一下世話なバラエティ番組として、爆発的な面白さを誇った番組の復活は大変喜ばしいことですね。前からみていないとわからない身内ネタもたくさんありますがそのうち理解できるので、毎週日曜チェックチェック!

 

 現在は『水曜日のダウンタウン』のヒットや演出に関する本が出版され、藤井さんにかなりの注目が集まっており『~名鑑』を知っている方も多くいらっしゃると思うので、今回は少しの期間だけ放送していた、藤井さん演出の深夜番組をご紹介します。

 


番組名は『テベ・コンヒーロ』
2012年の4月から9月まで火曜の深夜に放送されていました。出演者はロンドンブーツ1号2号FUJIWARAおぎやはぎ有吉弘行、枡田アナが主でスタッフも全く同じため、タレント名鑑のノリが色濃く出た番組でており、後継番組として位置付けられていました。

「世の中にある疑問を検証し解決する番組」というコンセプトで毎回さまざまなテーマを検証していきます。今になって考えると、めちゃめちゃ水曜日のダウンタウンに似ているんですよね。

 

おすすめは
『関西出身なのに関西弁を使わない芸能人は関西の心を捨ててしまったのか?』(2012/8/14放送)です。


[FULL] テベ.コンヒーロ [HD]


普段標準語を話している隠れ関西人3組に直撃して、なぜ関西弁を使わないのかインタビューしさまざまな実験を行います。特に3組目の超有名お笑いトリオの定番ネタが関西弁で行われるサマはめちゃめちゃ面白いので、一見の価値アリです。

 

他にも
あるあるネタは本当にそのほとんどがレアケースなのか?〜RG責任取材、本当のあるある〜』(2012/7/31放送)


[FULL] テベ.コンヒーロ [HD]


レイザーラモンRGが実際に取材をして“本当のあるある”をレポートするという企画です。取材でわかったあるあるのクオリティの高さと、RGが歌にのせて叫ぶあるあるのチョイスがめちゃめちゃ面白いです。回全体としてRGの独特な雰囲気をまとった異色の回です。

 

一番は
『外見だけで人を見抜けるのか?〜街角あの人〇〇っぽいインタビュー〜』(2012/8/28,9/4放送)


[FULL] テベ.コンヒーロ [HD]


2回に分けて放送された企画で、ロンブー、FUJIWARAおぎやはぎ、有吉が「~っぽい人」を街中から探すというものです。芸人7名の素人イジり、ガヤがちゃめちゃ面白い回です。ノリにノッた有吉チームとことごとく予想が外れる亮チームの対比も面白いです。

 

何もない私の休日はほとんどこんな感じで進んでいきます。他にも面白い企画がたくさんあるのでぜひ見てみてください。
年末には同じような出演者で『クイズ☆正解は一年後』という番組も放送されると思います。
寒い冬は笑いで乗り切りましょう!
さよなら!

おいしそうな小説

はじめまして。営業一年の渡辺です。11月に入り、すっかり秋になりましたね。いくら食べてもお腹がすいてしまいますが、本を読んでお腹がすいてしまうこともあります。というわけで、今回はおいしそうな小説を紹介したいと思います。

 はじめに紹介するのは、江國香織さんの『抱擁、あるいはライスに塩を』です。タイトルから既においしそうですね。ご飯などと表現せず、ライスという感じが彼女らしいなあと思います。

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この本は、大きな屋敷に住む三世代の変わった家族を描いた物語です。フルーツや(グレープフルーツをぱくりと食べると表現しています!おいしそう)、つめたい牛乳(ただの牛乳ではなくつめたい、というところが想像力をかきたてますね)、ココアといったありふれた飲み物でさえ読んでいるうちに自分も口にしたくなるのに、肉料理の描写がたまりません。ステーキを食べるシーンがあるのですが、自分も部屋から外に出てステーキを食べに出かけたくなります。
また、日常の朝食や夕食も家族そろって食べている主人公たちを見ると、人と一緒に食事する大切さを感じます。誰かと一緒に楽しく食事をしたいものです。
 

 さて、私は本を選ぶ際、食べ物がおいしそうに描かれているかどうかを最も重視しています。そこで、タイトルで選ぶこともあります。たとえば、『アーモンド入りチョコレートのワルツ』という森絵都さんの短編集も甘くておいしそうだなあと思って手に取りました。食べ物の話ではなかったですが・・。また、江國香織さんの『流しのしたの骨』は魚の小骨が流しの下にある食いしん坊の話かなあと思って読み始めたら全く違いました。太宰治の『桜桃』も読みましたが、飲んだくれの夫と妻のお話でした。桃というよりお酒がおいしそうな小説でした。

また、この作家さんは食べ物がおいしそうだと確信して、本を手に取る作家さんがいます。先ほど取り上げた江國香織さんはもちろんですが、村上春樹さんもそうです。
ダンス・ダンス・ダンス』とともに、村上さんの小説がおいしそうな理由を私なりに分析したいと思います。

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村上さんの本は、二つの理由でおいしそうです。ひとつめは、主人公が作る食事です。彼の作品は大体、顔がよくて何事もそつなくこなすので女の子が寄ってくる斜に構えた青年が主人公です。青年は基本的に孤独なので、自分でご飯を作って一人で食べることもあります。そこで主人公たちはパスタをゆでたり、サラダを作ったりして、ラジオやレコードを聴きながら一人で食べるのですが、ただ料理名を列記しているだけなのにおいしそうなのです。私は、ひとりで生活する楽しさを感じるからではないかと思います。一人暮らしはさみしい一方で、自分で自分の生活を送れる自由さがあるのではないでしょうか。そんな喜びを感じます。
ふたつめの理由は、表現が独特なことです。“ピナ・コラーダ”、“パイナップル・ジュース”、“ピザ”ではなく“ピッツア“とするように、正式な発音や表記に近いです。そのほうが飲み物はキンキンに冷えていそうだし、ピザはアツアツそうです。食べ物や飲み物は基本的にこのように表記されているので、村上さんの本を空腹時に読むとつらくなります。
 
例えば、“少し散歩してまともなハンバーガーを食べにいこう。肉がカリッとしてジューシーで、トマト・ケチャップがとことん無反省で、美味く焦げたリアルな玉葱のはさんである本物のハンバーガー”と主人公が食事に誘う場面があります。すみずみまでおいしそうで、ハンバーガーをありありと想像できます。
また、江國さんにも共通することですが、変換のこだわりを感じます。“冷たい”ではなく“つめたい”、“玉ねぎ”ではなく“玉葱”とされている。このような心配りが行き届いています。

 
まだまだ書き足りないですが、お腹がすいてきたので終わりにします。皆さんも本を読む際は食べ物を意識してみてはいかがでしょうか。私はハンバーガーが食べたくてたまりません。それでは。

刺繍について

 

初めまして。営業1年の七尾です。


先日Vol.27のテーマが発表されましたね。ずばりファッションです!紙面の出来上がりが楽しみです!


ファッションということでみなさんは無印良品に行ったことはありますか?多分多くの方が行ったことはあると思いますが、いろんなものが売っていて楽しいですよね。洋服とか靴とか文房具とかお菓子とか、本当になんでも売っています。


つい最近池袋にある無印良品に行ったら刺繍サービスをしていることを初めて知りました。
無印良品に売っているハンカチやシャツ、バックなどにも刺繍をしてもらえるみたいです。

 

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こんな感じのマークを選んで商品に刺繍してもらえます。他に文字とかもあります。500円からなのでリーズナブルです。ちょっとしたプレゼントにもいいですよね!

店舗によっては自分で描いたオリジナルのイラストも刺繍してくれるみたいなので自分だけのオリジナルグッズが手軽に作れます。

刺繍、とても可愛いので私も今度なんかやってみたいなと思いました。
みなさんも無印良品に行った時は探してみてください!


それでは。

空気公団について

はじめまして。デザイン1年の中村です。

どうしてもギリギリまでネタが思いつかなかったため、この文章は池袋へ向かう電車の中で書いています。あと20分のうちに書き終えないと、現在修羅場につき作業同士の玉突き事故が起きてしまい、大変なことになってしまうので、頑張ります。

 

 

今回は、『空気公団』という僕の4番目くらいに(←ここがポイント!)好きなバンドの紹介をしようと思います。

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さて、空気公団。このバンドははっきり言って派手さとは対極に位置するバンドです。ものすごく地味なバンドです。しかし!同時にとても凄いバンドでもあります。それはなぜか。いろいろとアピールポイントはありますが、第一に「聴く場所をまったく指定してこない」ことにあります。(例えば鹿児島の農村で「完全感覚Dreamer」を聴くのはナンセンスでしょう)バンド名に冠している通り、まさしく自分の身の回りを覆っている「空気」のような音楽です。都会の真ん中で、登山中のテント泊で、深夜の静岡のSAで、阪急の百貨店でバスを待っているとき、あるいは鹿児島の農村でも…いつでも彼らの音楽は傍にいてくれます。

 

それと、無理強いしてくるようなところがないことも空気公団の良いところです。何時間聴き続けても胸焼けしない。「良い酒は水に似る」「君子の交わりは淡きこと水のごとし」という格言を思い出します。ブランドで例えるなら無印良品。地味さゆえナンバーワンにはなれないけれど、それでもしっかり心の中に残り続ける、そんな音楽です。おすすめの曲は『はじまり』『青い花』『旅をしませんか』、おすすめのアルバムは『ぼくらの空気公団』。彼らの音楽の文字通りの「空気」感を、ぜひ体感してみてください。

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ちなみに一番好きなバンドはミスチルです。それでは。

衣替えの季節

こんにちは。1年広報の中嶋です。

 

夕焼けチャイムの時間が10月から16時30分になったのを聞いて季節の変化を感じました。もうすっかり秋ですね。

季節の変わり目に私の頭をいつも悩ませるのは「衣替え」。今年は特に暑かったり寒かったりしてタイミングが難しいですよね。そしてなにより、面倒だなぁと思いがどんどん先延ばしにしている大きな理由です……笑

 

そんな中衣替えのモチベーションをあげるべく、つい最近行った展示「モードとインテリアの20世紀展」について今回はお話しようと思います。

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20世紀に活躍したデザイナーたちの作品がたくさん展示されています。ドレスはもちろんですが、コートやビーズでできたネックレスなどさまざま。ドレスの中ではクリストバル・バレンシアガの作品がいいな~と思いましたが、一番思い出に残っているのはこれ。

 

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マリア・リカルツのビーズでできたバック。きらきらしていて絵柄もかわいらしかったです。

 

さらにそれだけではなく、その時代のファッション雑誌も見ることができるのです。

 

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これは、20世紀前半の高級なお洋服の雑誌です。描かれているイラストの色づかいが明るくきれいでした。傘や帽子がいくつか載っているページがお気に入りなのですが、写真が見つからなかったので興味のある方はぜひ見に行ってみてください。11/23(水)までパナソニック汐留ミュージアムでやっていますよ。

 

と見に行ったものの、結局まだ衣替えは手つかず。明日こそ、と思う日々を送っています。みなさんも衣替えし忘れて体調を崩す、なんてことがないように気をつけてくださいね。私も頑張ります。それでは。

秋のせつなさ

はじめまして。営業1年の津久井です。

最近すっかり秋めいてきましたね。

過ごしやすくて秋が一番好き、という方も多いのではないでしょうか。

わたしは帰る頃に空が真っ暗になっているのを見ると、なんとなく哀しくてせつない気持ちになったりします。
でも、それがきらいじゃない。むしろ好きです。

今回はそんな切ない季節におすすめの映画を紹介します。

その映画はこちら。

 

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『ビューティー・インサイド』という韓国の映画です。

この映画はラブストーリーなのですが、他の映画の主人公とは少し変わったウジンという男の人が主人公です。

朝目が覚めると顔や性別、年齢までもが変わってしまうウジンはある日、家具屋で働くイスという女性に一目惚れします。「毎日姿が変わっても彼女を振り向かせたい。」というキャッチコピーさながら、ウジンはイスに近づき始め、そしてイスもウジンに惹かれていきます。

しかし彼らにつきまとうのは恐怖。

好きなひとに気づいてもらえない恐怖。
好きなひとを信じられない恐怖。
そして、一人になる恐怖。

そんな恐怖に押しつぶされながらも、人間にとって永遠のテーマである「恋愛」の本質を、彼らは力強く教えてくれます。

そして何と言っても映像がとても綺麗。
光の使い方が程よい温かみを生み出していて、ラブストーリーが苦手だなあという方でも、映像として楽しむこともできます。

「123人1役」で生み出される今までにないラブストーリーでせつなさに浸れること間違いなしです。上野樹里さんもウジン役の1人として出演されているので是非観てみて下さい。

では。