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Seel STAFF BLOG

カルチャー系フリーペーパーを制作しているSeel編集部のスタッフたちによるブログ。

Seelで営業をしております、カワベです。

 

Seelで文章を書いているとたまに壁にぶち当たります。どんな壁かというと「この言葉の意味ってなんだっけ…」や「この言葉の使い方ってこれで合ってるっけ…」というような専ら言葉の使い方について。「検索力」なんて言葉が作られる昨今ですからネットで調べれば用法なんてすぐに出てきます。しかし、そんな時代だからこそ、もう一度紙の辞書に注目してみませんか。

と、思ったのも僕がお手伝いをさせてもらっている下北沢のB&Bという本屋の一角に辞書コーナーがあり、そこにはただの国語辞典だけでなく様々な辞書が並べてあり面白いのです。今日はそこからいくつかご紹介させてくださいな。

 

 

まずは「日本で一番売れている国語辞典!」を謳う『新明解 国語辞典 第七版』から。前々からその独特な言葉の説明で辞書界での地位を確立してきた同辞典。

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試しに「恋愛」を引いてみると…「特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。」

……アツい、アツすぎる。もはや恋愛に「溺れている」状態な気もしなくはないほど。と、このように普通の辞典でも、これだけ面白いんです。他にもいろいろな辞典がありますよ。



恋愛では好意を持つ相手に近づくために、その相手をほめることは必至。「どうほめたらいいのか分からない」、そんな時の心強い味方が『賞賛語(ほめことば)・罵倒語(けなしことば)辞典(長野伸江 小学館)』。その名の通りほめたい時・けなしたい時にどんな言葉を使えばいいのかを「妻」「若者」など対象別に紹介してるんです。

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今回女性をほめる時の言葉としてお勧めするのが「婀娜(あだ)」という言葉。「もとは女性のたおやかな美しさをいう言葉でしたが、近世以降は粋な感じの性的魅力を意味するようになりました。(中略)今ではめったに使われません。しかし、現代女性が自ら獲得しようとしてある性的魅力を表すには、この語がふさわしいように思われます。」とのこと。この言葉を使えばほめると同時に博識ぶりもアピールできること間違いなし。ぜひ一度お試しあれ。

恋愛といえばどきどき。どきどきという言葉、ご存知の通り擬態語。どきどきの他にもいろいろな擬態語や擬音語がありますが、それらを集めた『ぎおんご ぎたいご じしょ 新装版 (牧田智之 パイインターナショナル)』なんてものも。この辞書はコンパクトで装丁も可愛らしく、パラパラめくるだけでも気分が和らぎます。

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さて、「どきどき」を引いてみると…「激しい運動や、興奮、期待、恐怖、好意などによって、心臓が激しく鼓動する様子。[類]ばくばく」とあります。この辞書のもうひとつの魅力が例文。どきどきの例文には「ポストの前っていつもどきどき。」と。恋人への手紙を出すところなのか、それとも恋人との待ち合わせ場所がポストなのか。はたまた家のポストの前で恋人からの手紙を待っているのかもしれません。そんな、色々な想像を膨らませられる素敵な一文。



長くなりすぎても飽きてしまうので最後にもうひとつだけ。『現代語裏辞典(筒井康隆 文藝春秋)』をご紹介して終わります。

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帯に「現代語をエスプリと毒たっぷりに定義しなおす前代未聞の書(後略)」と書いてあるこの辞書で「恋愛」を引くと…「昔、セックスの前提とされた感情」。

今までの流れを見事に壊してくれました。現代のような時代だからこそ、『現代語裏辞典』のような恋愛ではなく、婀娜な女性と『新明解 国語辞典』のような恋愛に落ち、どきどきしたいものです。

ネットでは教えてもらえないようなことが、紙の辞典には書いてあります。まだまだ捨てたもんじゃないでしょ、紙。重いからって持たないのはもったいないかもしれません。

 

 

気付けば今までで最長のブログになっていました。ごめんなさい。お読みいただきありがとうございます。