■
こんにちは、デザインやっております2年のふじいと申します。
上着をきているとほんのり汗ばむほどの気温になって、少し夏らしくなってきましたね。ちいさな夏の始まりにわたしはわくわくしています。
しかし5月は5月病という言葉があるように、体調をくずしやすかったり暗い気持ちになりやすかったりする季節でもあります。
そんな5月に読むのにぴったりな漫画をふじいがご紹介したいとおもいます!
それは…
じゃーん。
岡崎京子先生の『pink』です!
表紙の女の子がとっても可愛いですよね。ふじい、完全にジャケ買いでした。
岡崎先生は沢尻エリカ様が主演をつとめて話題を呼んだ『ヘルタースケルター』という映画の原作を書かれた方なんです。書きかけの作品を残したまま交通事故に遭われて、現在は作家としての活動を休止していらっしゃいます。……ちょっとダークな香りがしますね……。
pinkの単行本は1989年に刊行されていて、ヘルタースケルターよりも10年くらい前の作品。服装や言葉の端々にちょっと年代を感じます。
今だったらスタバですかね?笑
この作品はユミちゃんという19歳のOLが主人公です。彼女は自分の欲望に忠実な子で、欲しいものがあったらすぐに買ってしまいます。ここまでは普通の女の子なのですが……。
……こいつ。
実はワニと一緒に暮らしているのです。ユミちゃん曰く、ワニは彼女にとってのスリルとサスペンスだそう。
ワニはたくさんご飯を食べるので餌代がばかになりません。そのため昼はOL、夜は売春をしてお金を稼いでいます。欲しいもののためなら彼女はいくらでも働くのです。
そんな彼女は資産家である父親の後妻(ユミちゃんにとっては継母)の愛人をやってお小遣いを稼いでいる小説家志望のフツーの大学生・ハルヲくんと恋人関係になります。しかし、それにより継母の怒りをかってしまい、彼女は持っているものを少しずつ失っていきます……。
この漫画は唐突に終わります。まるで次のページがあるかのように。なかなかにバッドエンドなのですが、ヘルタースケルターのような後味の悪さというよりは、虚しさや空虚といった感情が残りました。無常…というものでしょうか。ちなみに、岡崎先生曰く、pinkは「愛と資本主義」がテーマだそうです。労働は売春であると言います。なにかをすり減らしていくものってことなのでしょうか。ふじいは労働して3ヶ月めのあまちゃんなのでそのへんはよくわかりません笑。
タラタラと書いてきましたが、読み終わったあとに考えるトピックをたくさん与えてくれる作品だと思うので、他の漫画とはまた一味違うと思います。ぜひぜひ。
キラキラきゅんきゅんな漫画、ハラハラドキドキ手に汗握る漫画、そんな漫画も良いですがせっかくの5月、ちょっとダークな漫画で5月病にかこつけて物思いにふけってみませんか?