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Seel STAFF BLOG

カルチャー系フリーペーパーを制作しているSeel編集部のスタッフたちによるブログ。

こんばんは。
2年の佐々木です。

はやいもので、もうブログ担当が回ってくるのも3,4回目くらいでしょうか。ほかの部員のブログを読んで、「みんなカルチャーに触れた生活しているな〜」と思ってしまいました。アハハ。最近はお得意の展覧会や寺巡りもしていなくて、このブログに書くネタがない……!
なんとなく、漫画についてブログを書いている部員が多い気がしましたので、わたしなりの視点で「漫画」について書いてみようと思います。
“わたしなりの視点”といいますと、どうしても歴史を絡めたい。歴史好きなもので。


日本の漫画のルーツといやぁ、“絵巻”です。
絵巻は本来左右の手で巻きながら読むもの。展覧会などでは全部どばーーっと広げられているためわかりにくいですが、クルクルしながらみていくと場面の移り変わりや人物に動きが見えて、まるでアニメを見ているような気持ちになります。

今年の春に『鳥獣戯画』が東京にやってくるそうで。この『鳥獣戯画』にはいまの漫画やアニメの表現技法が使われており、まさに「元祖」。
このフライヤーのカエルの口からでている線は、湯気とか息ではなくて「声」なんだとか。台詞のない絵巻ならではの、「声」の表現方法ですね。

・『Discover Japan』2014年6月号(エイ出版社)、特集「マンガの力」

この雑誌にも、『鳥獣戯画』は「平安貴族も楽しんだ擬人化のパロディ」であり、「マンガのルーツ」として紹介されていました。

そして同誌では江戸時代に誕生した漫画として『北斎漫画』が登場。
コピーライターや脚本家による「『北斎漫画』に台詞をつけてみよう」は必見です。

「これ、ぜんぶ、だれにもあげない」
「ひとりでたべるんだかんね」

かわいい……!

わたしは、『Discover Japan』をほぼ毎号購読している愛読者なのですが、この号は特にキレッキレだったと思います。
おじさま向けの雑誌なので、日本の伝統文化を愛するおじさまたちにはとっつきにくい「マンガ」。
そこで、

「子どもの読み物、オタクカルチャーだと切って捨てるのは乱暴だ。
では、一体どんなマンガを読めばいいのか、答えに窮する人も多いだろう。
そんな貴方に紹介したいのが、各界のスペシャリストのオススメ作品。
あの人が他人に薦めるくらいおもしろいんだったら、たまにはマンガも読んでみてはいかがだろうか」

という前書きでスタートします。堅物のおじさまも、手に取ってみたかな……。
佐藤卓さんやみうらじゅんさん、内田樹さんも登場する本誌、他人に薦めるくらいおもしろいです!

平安時代を描いたマンガもいくつか紹介されていて、定番の『あさきゆめみし』(講談社)や、『源氏物語千年の謎』(角川書店)、『なんて素敵にジャパネスク』(白泉社)、『とりかえ・ばや』(小学館)とそろうなか、わたしがおすすめしたい『源氏物語』入門書を最後に記しましょう。

源氏物語』つったら、全五十四帖もありまして、現代語訳を読むのも一苦労ですよね。

それが、なんとこの薄さで読めちゃいます。
・『はやげん!』花園あずき(新書館

本当にこのなかに五十四帖がつまっているのか?と言いたくなると思いますが、読んでみたら本当に詰まっていました。
作者は宇治十帖が好きなのでしょうか、尺が長かった。

絵が二頭身キャラなので、好き嫌いあると思います。ぶっちゃけ、わたしもあんまりこういうコミカルな絵柄は好きではないのですが、なにせ大変読みやすい。『源氏物語』は古代の「エロ本」なんて言われたりもしますが、この本は終始コミカル。人々の愛憎をここまでかわいらしく描けるものかと驚きました。古典のもつ「とっつきにくさ」を見事に解消してくれています。

この人が、光源氏です。
この本は授業で先生が紹介されていて、「源氏はちゃんと全編読んだことないし、とりあえず参考文献にあがっていたこの漫画でも読んでみるか」と手にとったのですが、いまでは「好きなキャラクターは夕霧です」と小声で言っちゃうくらい『源氏』ハマりました。
これ読めば『源氏物語』を知ったような気分になれちゃいます。平安文学なんて堅苦しい、そんな印象を覆してくれる一冊です。

平安時代にルーツがあって、江戸時代の北斎によって本格登場し、いまでは世界中で読まれている、漫画。現代では、平安時代の文学をもとにまた新たな作品が作り出される。うまく表現できませんが、こう不思議と昔もいまも、人々が「おもしろい」と感じるものは変わっていないような、そんなことを思いました。
もしかしたら、平安時代の人がいまの漫画を読んだら、それなりに「おもしろい」って思うのかもしれません。だって、私たちは『鳥獣戯画』も、『北斎漫画』も、『源氏物語』も、おもしろいって思うのですから。

今回は、ニッポンの伝統文化「漫画」についてのお話でした。