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こんにちは。営業一年の神田です。
週の初めから急に冷え込んできましたね。
ようやく秋らしくなってきたといったところでしょうか。
そう、もう季節は秋です。
読書の秋です。
そんなわけで、今回は読後すてきなぞわぞわ感が味わえる一冊をご紹介します。
『儚い羊たちの祝宴』/米澤穂信
ミステリーと言うべきかサスペンスと言うべきか。
何分そういった知識が浅いので分かりかねますが、短編集です。
全体に共通することは 優雅で仄暗く退廃的な雰囲気と
「名家のお嬢様たちが集う読書サークル『バベルの会』の名が出てくる」ということだけ。
本筋にがっつり絡んでくる話もあればちらっと名前が出るだけの話もあります。
いずれにせよ、どの話も二回三回と鮮やかにひっくり返り、ページをめくる手が止まりません。
その中でも特におすすめなのは「北の館の罪人」。
名家の屋敷の一室に飾られた、空を紫に塗られた絵画にまつわるお話です。
なにより特筆すべきはラストシーン。
最後のたった一文で、読者が抱いていた物語や登場人物への印象を180度変えられてしまいます。
その衝撃は一瞬呼吸を止めてしまうほど。
(ひとつを除いて)どのお話も読後しばらく動けなくなるような素晴らしい後味の悪さを与えてくれます。
さて、ここはセオリーどおり「秋の夜長のおともにぜひ」と締めたいところですが、
わたしは早起きして各停の電車に揺られながらの読書をおすすめします。
座れるし気分は良いしで快適ですよ。
以上、爽やかな朝の光のなかで読むくらいが丁度いい小説のご紹介でした。