観光地に行かない観光旅行
お久しぶりです。代表の中村です。
前回ブログを書いたとき、冒頭の近況報告で手の肌荒れがひどいと述べましたが、現在は快方へと向かっています。日頃の行いが良いおかげでしょうか。
さて今回は突然ですが僕の好きな旅行スタイルを紹介します。
去る12月、山口へ行きました。
向かった先は「小京都シリーズ」の一員である萩……ではなく、歴史ある港湾都市である下関……でもなく、特に何のフックも持ち合わせていないこぢんまりとした地方都市、山口タウン。
この県庁舎在地とは思えない具合の絶妙な駅舎が旅情を掻き立てます。
この後の旅程を紹介すると、「適当に商店街回って地元密着型のラーメン屋で晩御飯食べてスーパーでポテチでも買ってビジホで就寝」です。
なんで遠出してまでそんなしょーもないことを……という声が聞こえてきそうですが、これこそ僕の観光スタイルです。
なんでもないところで、なんでもない人たちの、なんでもない生活を追体験したい。そういう欲求が僕をこの「特異な」行動に走らせるわけですが、実際楽しいですよ。
観光地というものはその県の、あるいは国の「商品」となって、厚化粧させられている場合がほとんどです。
いにしえの都の景観をそのまま残す街並みに立って思索にふけろうとしても5ヶ国語対応の看板がそれを邪魔してきたり、「観光地様の美貌維持費」がごとく過剰に上乗せされた商品価格が目に入ったりすると、僕はむなしさを覚えずにはいられません。いささか人為的で、精彩を欠いているように感じてしまいます。
僕は厚化粧よりも、ありのままの姿をさらけ出しているような場所が好きです。その土地の飾らない性格がそのまま湧き出しているような場所。となると、目的地は「ハレ」から遠ざかり「ケ」の場所へと、自然に移っていくわけです。民宿よりも東横インへ、たこ焼き屋よりもラーメン屋へ。SEIYUの和菓子コーナーの棚を埋め尽くすういろうは、小さな書店の入り口に平積みされた官報は、その土地の立派な城址よりも遥かに雄弁に地元の魂のようなものを語っているように僕は感じます。
観光地に行かない観光旅行、いかがでしょうか?
「隠れ家カフェ」やら「穴場スポット」やら、とにかく人の知らない場所を知っていることがステータスとなっている昨今ですが、いずれ「究極の隠れ家スポット」としてなんでもないような商店やスパ銭へと行く旅行がにわかに流行りだすかも……
流行って欲しいような、流行って欲しくないようなといった想いでいます。
画像は山口市内で見つけたなんでもない景色です。少なくとも、山口城とかに行ってたらこの通りは見つけられなかったんじゃないかな?