Seel STAFF BLOG

カルチャー系フリーペーパーを制作しているSeel編集部のスタッフたちによるブログ。

半永久の、ぐるぐる。

 

 

こんにちは、広報1年の小野塚です。

クリスマス前に初ブログを書く運びとなりましたが、浮いた話題の一つもないので普段通り好きなことを綴っていこうと思います。


皆さん「マスキングテープ」ってご存知ですか?

いわゆる「マステ」って女子たちに呼ばれている例のアレです。ここ十年ぐらい、急に文房具屋さんで見かけるようになったやつ。

 

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これって、本来は自動車などの塗装現場で使われていた工業用テープだったんです。それを作品制作に使っていた3人の女性が、ファンを名乗りカモ井加工紙に働きかけたところから、現在のようなマステが爆誕しました。

 

これは2008年頃のお話。それからの10年間、「デコる」用の文房具として爆発的に流行したマステは日本のみならず世界展開しており、例えば

2012年から現在にかけてソウル、バンコクシンガポールなどで「mt ex展」というイベントが開かれて

いたりするんです。

 

マステの生い立ちを軽く語ったところで、マステと私の胸キュンな出会いを聞いてください。

 

小学5年生の時、クラスの中で可愛くて人気があった、ゆうきちゃんからお手紙をもらったんです。そのお手紙がマステで封されていて、

それまで「おもしろ消しゴム」(ランドセルやアヒルカップラーメンなどを模した分解できる消しゴム)を大量に集めていた私は

その「マステ」のシャレオツさに衝撃を受けて、その日から「マスキングテープ コレクター」に転職することを決めました。

 

それから数年間、おこずかいをもらってはコツコツとマステを買い続け、70個ほどが引き出しを埋め尽くしています。しかし、先に話したように、2010年代に入るとグローバル級に種類が増え、さらに大人なレディ達までもマステ界隈に参入し始めました。

そんな中、私の貧弱の財力では手に負えなくなり、ついにマステコレクターとしての地位は中学生の時に葬られました。引き出しからは懐かしい思い出の匂いがします。

私の歴史はマステと共にあり、マステの歴史は私と共にあり。

 


なぜそんなにマスキングテープに惹かれるのか?う〜ん、良い質問ですね。

一言で形容しがたいのですが、例えば清少納言が今に生きていたら

 

「うつくしきもの。マスキングテープ。小さくてカワイイし貼ってデコってかわいいし集めるとテンション上がるかわいい。何も何も、小さきものはみなうつくし。」

 

って枕草子かインスタかなんかにアップしてるはず。

 

そんな、オトメゴコロをくすぐるポイントがマステにはあります。

コレクター当時、私的に最もぐっとくるポイントは、コレクションすることと消費すること、つまりトキメキと安心感が両立することでした。

普通、コレクター品は消耗品の類であっても、保存用として複数持たない限りは

「使いたい、でも完璧な形でコレクションしたいから使えない…!」
という無限ループの葛藤に陥りがちです。

 

その点、マステは一つあたり何メートルもあって同じ柄をと繰り返す、それ自体何回も貼り直しができる。マステは使っても使っても「半永久」にそこに存在しました。それはフラクタルのようで、トキメキと安心感が両立する最高のパートナーのよう。つまり、存在が美しいのです。

 

(しかし、最近メルカリ営業を始めて昔のマステをいくつか使おうとしたところ、粘着力がボロボロになり使い物にならないマステをいくつか発見。半永久の夢はあっさりと崩れ役立たずのガラクタと化した…マステを集めている人は保存期間に注意。)

 

今となっては旅先で見つけた限定品をときたま買うのみの、ラフな関係です。
特に披露する場もないので、ここで「レアマステコレクション」を一部紹介しようと思います。

 

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MoMA(ニューヨーク近代美術館)のご当地マステです。2014年頃の家族旅行にて。東京のMoMAのショップも楽しくて好き。

 

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一番最近買ったものかな。デザインあ展のマステです。シンプルで(に)かわいい。

 

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トナカイ、ではないです。中三の研修旅行で奈良に行ったときのお土産です。東大寺周辺の鹿の縄張りの近くの露店で買いました。パラパラマンガのようなデザインがかわいい。

 

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最後に、ミュシャ連作、「四つの花」のマステです。ミュシャの描く女性はどれもかわいいけど、このシリーズはとくにキュート。この年末に、またミュシャ展やってるのでもう一度行こうかしら。

 

Seel Vol .34の制作がこれから始まります。

最後までありがとうございました!それではまた。