「ここではないどこか」に思いを馳せる。
営業2年の杉本です。
冬の寒さが厳しいですね。毎朝布団から出るのに一苦労するこの頃です。
しかしもう、大学生活2回目の冬も終わろうとしています。僕ら10代目もそろそろ引退という言葉が脳裏にチラつくようになりました。
もうこのブログを書くこともないかもしれないと思うと、何だかもの悲しくなりますね。
最後かもしれないので何を書こうか少し迷ったのですが、今回は星野道夫さんのお話をしたいと思います。
星野さんとの出会いは小学校4年生の国語の授業でした。
教科書に載っていた「もうひとつの時間」というエッセイに、4年生ながらひどく心を打たれたのを今でも覚えています。
クジラが水面から大きく跳ね上がり、水しぶきを高くあげながらまた海へ潜っていく。
そこから見えるのは、背景に広がる雄大なアラスカの大地と、相対的に小さく見えてしまうクジラの姿。
そして跳ね上がってから沈むまでのゆっくりとした時間の流れ。
東京とアラスカとで同じ時が流れているとは思えないことを感じさせるその光景は、小学生の心を打つには十分すぎるほどでした。
小学校という狭い世界しかよく分からない、下手したらそれすらもよく分かってない自分に、新たな世界が開けた瞬間です。
このお話の最後はこのような文章で締めくくられています。
ぼくたちが毎日を生きてる同じ瞬間、もう1つの時間が、確実に、ゆったりと流れている。 日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。
僕がこの文章を書いている間、ホッキョクグマがどこかで歩いている。ザトウクジラが大海のどこかで泳いでいる。
"ここではないどこか"に思いを馳せることが出来る。それだけで心が楽になったりすることもあるのではないかと、今なら思えます。
いつかは僕も、星野さんのようにアラスカへ行きます。
悠久の時が流れている、あのアラスカへ。
みなさんも、ここではないどこかを意識してみてはどうでしょうか。
なんだか「家出のすすめ」ならぬ「旅のすすめ」になってしまいましたね。
それでは、また。